飲食店営業許可申請

飲食店を営業するには、都道府県知事の許可を受けなければなりません。(食品衛生法第55条)
これを「飲食店営業許可」といいます。以下この「飲食店営業許可」について記します。
食品衛生法第54条に「都道府県は、公衆衛生に与える影響が著しい営業(食鳥処理の事業を除く)であつて、政令で定めるものの施設につき、厚生労働省令で定める基準を参酌して、条例で、公衆衛生の見地から必要な基準を定めなければならない。」とあります。公衆衛生の見地から許可が必要な施設・基準が定められており、飲食店営業許可もその中の1つになります。
食品衛生法施行令第35条に許可が必要な施設・業種として列記してありますので、それをご紹介します。

業種名定義
飲食店営業食堂、日本料理店、レストラン、中華料理店、東洋料理店、そば店、うどん店、寿司店、回転寿司
店、仕出し弁当店、持ち帰り弁当店、調理パンの製造、ホテルや旅館の厨房、自動車を使って行う移動営業施設など。コンビニエンスストアなどで、お客様が購入した弁当を店員が電子レンジ等で加熱して提供する行為も対象。
調理の機能を有する自動販売機による営業自動販売機により食品を調理し、調理された食品を販売する営業。
食肉販売業獣鳥の生肉(骨・臓器を含む)を販売する営業。食肉を専ら容器包装に入れられた状態で仕入れ、そのままの状態で販売する営業を除く。
魚介類販売業店舗を設け、鮮魚介類(冷凍したものを含む)を販売する営業
魚介類競り売り営業鮮魚介類を魚介類市場において競り売りその他の厚生労働省令で定める取引の方法で販売する営業
集乳業生乳を集荷し、これを保存する営業
乳処理業生乳を処理し、若しくは飲用に供される乳の製造をする営業又は生乳を処理し、若しくは飲用に供される乳の製造をし、併せて乳製品(飲料に限る)若しくは清涼飲料水の製造をする営業
特別牛乳搾取処理業牛乳を搾取し、殺菌しないか、又は低温殺菌の方法によつて、これを厚生労働省令で定める成分規格を有する牛乳に処理する営業
食肉処理業食用に供する目的で鳥若しくは獣畜をとさつし、若しくは解体し、又は解体された鳥獣の肉、内臓等を分割し、若しくは細切する営業
食品の放射線照射業放射線を照射する営業をいいます。
現在、放射線の照射はジャガイモの芽止めとしてのみ認められている。
菓子製造業菓子(パン及びあん類を含む)を製造する営業
アイスクリーム類製造業アイスクリーム、アイスシャーベット、アイスキャンデーその他液体食品又はこれに他の食品を混和したものを凍結させた食品を製造する営業
乳製品製造業粉乳、練乳、発酵乳、クリーム、バター、チーズ、乳酸菌飲料その他の厚生労働省令で定める乳を主原料とする食品の製造をする営業
清涼飲料水製造業生乳を使用しない清涼飲料水又は生乳を使用しない乳製品(飲料に限る)の製造をする営業
食肉製品製造業ハム、ソーセージ、ベーコンその他これらに類するものを製造する営業又は食肉製品と併せて食肉若しくは食肉製品を使用した惣菜を製造する営業
水産製品製造業魚介類その他の水産動物若しくはその卵を主原料とする食品を製造する営業又は当該食品と併せて当該食品若しくは水産動物等を使用した惣菜を製造する営業
氷雪製造業氷を製造する営業
液卵製造業鶏卵から卵殻を取り除いたものの製造(小分けを含む。)をする営業
食用油脂製造業動物性、植物性及び中間製品、完成品を問わず、サラダ油、天ぷら油等の食用油脂を製造する営業
みそ又はしょうゆ製造業みそ若しくはしょうゆを製造する営業又はこれらと併せてこれらを主原料とする食品を製造する営業
酒類製造業酒の仕入れから搾りまでを行う営業
豆腐製造業豆腐を製造する営業又は豆腐と併せて豆腐若しくは豆腐の製造に伴う副産物を主原料とする食品を製造する営業
納豆製造業
麺類製造業生めん、ゆでめん、乾燥めん、そば、マカロニ等を製造する営業
そうざい製造業通常副食物として供される煮物(つくだ煮を含む)、焼物(いため物を含む)、揚物、蒸し物、酢の物若しくはあえ物又はこれらの食品と米飯その他の通常主食と認められる食品を組み合わせた食品を製造する営業
複合型そうざい製造業そうざい製造業を行う者がHACCPに基づく衛生管理を行う場合に限り、そうざい製造業と併せて食肉処理業、菓子製造業、水産製品製造業(魚肉練り製品の製造に係る営業を除く)又は麺類製造業に係る食品を製造する営業
冷凍食品製造業
複合型冷凍食品製造業冷凍食品製造業を行う者がHACCPに基づく衛生管理を行う場合に限り、冷凍食品製造業と併せて食肉処理業において処理された食肉の処理をする営業又は菓子製造業、水産製品製造業(魚肉練り製品の製造に係る営業を除く)若しくは麺類製造業に係る食品(冷凍品に限る)を製造する営業
漬物製造業漬物を製造する営業又は漬物と併せて漬物を主原料とする食品を製造する営業
密封包装食品製造業密封包装食品(レトルトパウチ食品、缶詰、瓶詰その他の容器包装に密封された食品)であつて、その保存に冷凍又は冷蔵を要しないものを製造する営業
食品の小分け業製造された食品を小分けして容器包装に入れ、又は容器包装で包む営業
添加物製造業食品衛生法の規定により規格が定められた添加物の製造をする営業

平成30年の食品衛生法の改正に伴って、許可業種が見直されています。以前は分かれていたものが統合されたり、新設されたりしているので。もうすでにお店を営業しているところにプラスでサービスを追加するときなどその分の届出が必要になる場合がありますが、平成30年の改正で緩和された部分もありますのでその都度確認です。

飲食店の営業許可を受けるのにはクリアしなければならない基準が定められており、それには1.人に関するものと2.施設・設備に関するものがあります。東京都の例で説明します。
 (参考:東京都保健医療局 食品関係営業許可申請の手引き)

1.人に関する基準

食品衛生責任者を置くこと。

※ただし、営業を営もうとする者(申請者)が以下に該当する場合は許可がおりません。
①食品衛生法又はこの法律に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者。
②飲食店営業許可を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過しない者。
③法人の場合は、業務を行う役員が①②のいずれかに該当したとき。

食品衛生責任者とは

自治体が管轄する公的資格者で、飲食店などの店舗において、食中毒などの防止・お客様に安全な飲食物を提供するために、正しい知識に基づいて食品の衛生上の管理を担います。飲食店営業者は、食品衛生法第51条に基づく「公衆衛生上必要な措置の基準」により「食品衛生責任者を定めること」とされています。
食品衛生責任者になるには、講習会を受講して確認試験をクリアするか、栄養士・調理師などの資格を取得する(取得している)必要があります。
参照:飲食店1店舗につき必ず1人以上必要 食品衛生責任者の役割

2.施設・設備に関する基準

様々な基準が決められ、上記のすべての業種に共通のものと、業種ごとに定められている「特定基準」があります。

Ⅰ.共通基準

①営業施設の構造

[場所・建物]
施設は屋外からの汚染を防止し、衛生的な作業を継続的に実施するため必要な場所(周囲の地面は耐水性材料で舗装し、排水がよく掃除しやすいもの)にあり、構造または設備、機械器具の配置及び食品または添加物を取り扱う量に応じた十分な広さ・耐久性を有すること。

[区画]
作業区分に応じ間仕切り等により必要な区画がされ、工程を踏まえて施設設備が適正に配置され、または空気の流れを管理する設備が設置されていること。なお、住居その他食品等を取り扱うことを目的としない室等が同一の建物にある場合は、これらと区画されていること。

[床・内壁・天井]
床面・内壁及び天井は清掃等を容易にすることができる材料・構造であること。床面及び内壁の清掃等に水が必要な施設にあっては、床面は不浸透性の材質で作られ、排水が良好であること。内壁は床面から容易に汚染される高さ(1メートル)まで、不浸透性材料で腰張りされていること。

[汚染等防止・駆除設備]
じんあい、排水及び廃棄物による汚染を防止できる構造又は設備並びにねずみ、昆虫等の侵入を防止できる設備を有すること。必要に応じて、ねずみ、昆虫等の侵入を防ぐ設備及び侵入した際に駆除するための設備を有すること。

[照明設備]
照明設備は作業、検査及び清掃等を十分にすることができるよう必要な照度(50ルクス以上)を確保できる機能を備えること。

[換気設備]
ばい煙、蒸気等の排除設備。食品等を取り扱う作業をする場所の真上は結露しにくく、結露によるかびの発生を防止し、結露による水滴により食品等を汚染しないよう換気が適切にできる構造または設備を有すること。

[手洗設備]
従事者の手指を洗浄消毒する装置を備えた流水式手洗い設備を必要な個数有すること。なお、水栓は洗浄後の手指の再汚染が防止できる構造であること。

[更衣場所]
更衣場所は清潔かつ従事者の数に応じた十分な広さがあるもの。作業場外に設けるが、作業場への出入りが容易な位置であること。

②食品取扱設備

[器具等の整備]
取扱量に応じた数の機械器具および容器包装を備える。

[器具等の配置]
移動し難い機械器具等は、作業に便利で清掃および洗浄をしやすい位置に配置する。

[保管設備]
原材料を種類および特性に応じた温度で、汚染の防止可能な状態で保管することができる十分な規模の設備を有すること。また、施設で使用する洗浄剤・殺菌剤等の薬剤は、食品等と区別して保管する設備を有すること。

[器具等の材質]
耐水性で洗浄しやすく、熱湯、蒸ままたはは殺菌剤等で消毒が可能なもの。

[運搬具]
必用に応じ、防虫、防じん、保冷のできる清潔な食品運搬具を備える。

[計器類]
冷蔵、殺菌、加熱、圧搾等の設備には見やすい箇所に温度計および圧力計を備える。必要に応じて計量器を備える。

③給水および汚物処理

[給水設備]
水道事業等により供給される水またはこれ以外の飲料に適する水を、施設の必要な場所に適切な温度で十分な量を供給することができる、給水設備を有すること。
 (水道事業等により供給される水以外の水を使用する場合)
  ・・必要に応じて消毒装置および浄水装置を備える
  ・・水源は外部から汚染されない構造であること
 (貯水槽を使用する場合)
  ・・食品衛生上支障のない構造であること

[排水設備]
十分な排水機能を有し、かつ水で洗浄する区画および排水、液性の廃棄物等が流れる区画の床面に設置されていること。
汚水の逆流により食品または添加物を汚染しないよう配管され、かつ施設外に適切に排出できる機能を有すること。
配管は十分な容量を有し、かつ適切な位置に配置されていること。

[便所]
作業場に影響のない位置および構造で、従事者に応じた数を設け、使用に便利なものでねずみ・昆虫などの防除設備、専用の流水受槽式手洗い設備、手指の消毒装置を設ける。

[廃棄物容器]
廃棄物を入れる容器または廃棄物を保管する設備については、不浸透性および十分な容量を備えており、清掃がしやすく、汚液および汚臭が漏れない構造であること。

[清掃用具]作業場の清掃等をするための占用の用具を必要数備え、その保管場所および従事者が作業を理解しやすくするために、作業内容を掲示するための設備を有すること。

Ⅱ.特定基準(飲食店営業)

①冷凍冷蔵設備
食品または添加物を衛生的に取り扱うために必要な機能・大きさを有する冷蔵または冷凍設備を必要に応じて有すること。

②洗浄設備
洗浄槽は2槽以上。使用目的に応じた大きさのものを有すること。

③給湯設備
洗浄および消毒のための給湯設備を設けること。

④客席
客室および客室には換気設備を設け、明るさは10ルクス以上とすること。

⑤客用便所
客が飲食する営業をする場合、客が使用する便所があること。
調理場に影響のない位置および構造で、使用に便利なものでねずみ・昆虫などの防除設備、専用の流水受槽式手洗い設備を設ける。

1 保健所に事前相談
店の内装や設備の工事の前に、施設の設計図などを持って保健所に相談に行きます。施設基準は細かいものがあり、業種によっても異なる部分がありますので、そこで計画中の施設が基準に合っているか確認してください。基準に合っていない点は修正を求められますので、工事の前に必ず相談をしましょう。
保健所

2 申請書の作成・提出 (施設工事完成予定日の10日くらい前まで)
申請書は保健所からもらうか、自治体のサイトからダウンロードします。必要事項を記載しますが、わからないところは申請の際保健所で確認して埋めてください。事前相談の前に申請書の記載内容を把握して、相談のときに聞いておくとスムーズです。
以下は申請に必要な書類です。
・営業許可申請書・・1通
・施設の構造及び設備を示す図面・・2通
 *店舗の見取図のようなもの。客席、調理場のレイアウト、天井や壁の材質、換気設備などがわかるようにします。
・食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳など)
※水道水、専用水道等以外の水を使用する場合は水質検査成績表が必要
※法人の場合はこの他に登記事項証明書1通が必要
許可申請手数料・・飲食店営業許可申請の場合約18,000円です。(東京都の場合)
申請は保健所の窓口へ書類を提出する方法と、自治体によってはオンラインでも受け付けています。
この申請の際、保健所の担当者と工事の進行状況について連絡する方法、施設検査日についての打ち合わせをしてください。
申請書

3 保健所による施設検査
保健所に申請後、保健所担当者が実際にお店にきて設備基準を満たしているかどうかチェックをします。申請者立ち合いのもと保健所担当者が、図面通りに配置されているか、必要設備が備わっているか、衛生環境に問題がないかなどを見ます。図面と実際の設備に齟齬がないよう気をつけてください。また、お湯や水洗などもチェック項目なので、検査当日までに水道、電気、ガスは使えるようにしておいてください。
基準に適合しないと許可されません。不適事項については修正し、改めて検査日を設けることになります。
厨房検査

4 許可書の交付
保健所担当者の立ち合い検査で問題がなければ飲食店営業許可書が交付されます。立ち合い検査後概ね1週間程度で交付されますが、開店のタイミングはあらかじめ保健所と打ち合わせてください。
営業許可書受領の際は印鑑が必要です。(そのうち変わるかもしれませんが)
営業許可書はお店の中に掲示することになっています。
ok

飲食店営業許可申請は、きちんと基準を満たせば許可が下りるので、決して難しいものではありません。しかしながら、店舗にする物件の図面がない、権利関係が複雑、水質検査成績表がないなどケースによってはすべてご自分でとなると、とても面倒な作業となってしまいます。自治体によっても多少ルールが違ったり、月日の経過とともに法律の解釈が変わってしまっていたりすると、確認作業をしながら修正していかなくてはなりません。それに忙殺されるのは「時間がもったいないな」「本業で忙しいのに」そう負担にお感じなら、ぜひ当事務所にご相談ください。飲食店営業許可申請のお手伝いをいたします。

料金

基本料金50,000円 (申請書作成・提出)
基本料金に含まれるもの保健所への事前相談、施設検査の立ち合い、交通費、郵便費
※保健所への申請手数料は別途実費
値引き施設の構造及び設備を示す図面(設備の配置図、内装の配置図など)のご提出があれば10,000円値引き
自治体に支払う手数料は別途実費をいただきます。登記事項証明書など必要書類を取得した場合も同様です。
※当事務所の責に帰すべき事由以外で追加の作業が発生した場合はお値引きはいたしかね、また別途実費をいただく場合もございます。

対応エリア


東京都23区内
23区以外の東京都(島しょ地域除く)・・ 基本料金+10,000円
埼玉県(さいたま市、川口市、所沢市、蕨市、戸田市、朝霞市、和光市、新座市)・・基本料金+20,000円
千葉県(市川市、浦安市、松戸市)・・基本料金+30,000円
神奈川県(横浜市、川崎市)・・基本料金+30,000円

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